Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

床暖房と三層フローリング

白金台S邸

白金台の高級マンションリノベーションの現場は、設計者がお盆休みを満喫していた間も、着実に進んでいます。ちょうどお盆前までに、床暖房の敷設が終了いたしました。

今回採用したのは、リノベーション前から使われていた、東京ガスのTESシステムです。TESはパネル方式の敷設なので、細かい部分の融通が利かない、不便もありますが、工事時間の短縮と、システムの簡略化を目指しての採用です。

マンションリフォーム 床暖房

因みに、新設の床暖房では、手間は掛かりますが、架橋ポリエチレンパイプと発泡スチロールの組み合わせの床暖システムを使うケースが多いです。この方法であれば、細かい部分にも床暖房が敷設できる便利さがありますが、同時に時間が掛かるので今回は採用できませんでした。

特注のパネルの製作も意外と簡単かつ安価に出来るのですが、既成のパネルをきちんとレイアウトした方が、やはり簡易で安価なので、その方針で進めました。広いリビングなので、壁付けのコンセントだけでは不足なので、床付けコンセントも使うことになり、その位置を上手く避けながら、パネルレイアウトを行いました。

お盆があけて、フローリング張りが開始されました。張るに当たっては、何を基準にどの位置から張り始めるのか、
そしてどのくらいずつずらしながら張るのかを、工務店の現場担当者の樋口さんと打ち合わせました。

基準ラインは、広いリビングに取るのではなく、玄関入って直ぐの玄関ホールに取ることとしました。広い部屋では気にならない半端寸法でも、狭い部屋では気になってくるので、このように指定しました。また、ずらし方も無駄が少ない1/3方式としています。

マンションリフォーム 三層フローリング張り

フローリングは、スカンジナビアンフローリングの三層フローリングです。低温床暖房との相性が良く、精度も高く、何よりも広幅で美しいので、最近の事務所の定番となっています。

189ミリの広幅は、広いリビングをより広く見せ、厚さ4ミリのオーク(ナラ)無節の表面材は、無垢といってもおかしくない重厚な仕上げ感です。仕上げもホワイトオイルとなっているので、一般的なウレタン仕上と比較すると、肌触りも自然な感じで、とても美しい仕上げです。

ちょうど本日から張り始めとなりましたが、大工さんたちももフローリングの精度の良さには、感心しているようでした。

とらや菓寮@京都

見学記

お盆休みに京都に出掛けてきた際に、建築家・内藤廣氏が設計した「とらや菓寮」を見学して参りました。御殿場のとらや工房やとらや菓寮に続き、とらや本店が経営する建物を新しくリニューアルしてゆく一環のプロジェクトのひとつだそうです。元々京都が発祥の地であるとらやが、単にお菓子を販売するだけでなく、老舗としてのプライドを掛けて、お菓子を楽しむという文化を発信する新たなる基地として作り上げた空間のように感じられる建物でした。特注の丸みを帯びたタイルで囲われたどっしりとした建物と、鉄骨の軽やかなフレームに木製の建具を纏った平屋、その間に引き込むような静かなアプローチ。

京都とらや菓寮 アプローチ

鉄骨と木製のフレームが、お互いに助け合うように支えあう、繊細な構造体に囲まれた空間には、お菓子とお茶を楽しむ喫茶席のほかに、京都の伝統文化についての本が楽しめる、小さな図書コナーが設けられていました。建物内部だけでなく、外周部にも設けられた喫茶空間は、外部とは御簾戸だけで屋外と区切られた、半屋外のスペースとなっています。

京都とらや菓寮 インテリア

細かなディテールに至るまで、美しくコントロールされた建物の奥には、古くからのお蔵などに囲まれた、芝生と水盤、植栽からなる中庭があります。建物の中にいると、外を歩いてみたくなる外部空間、そして外部を散策していると、中に入ってお茶を楽しみたくなる、そんな風に建物と外構が、お互いをより美しくみせるように補い合う空間構成は、内藤廣氏の建築家としての円熟度を感じさせる素晴らしい建築施設でした。

一設計者してはただただ感服するばかりでしたが、一訪問者としては、本当に静かで気持ちよいひと時を
楽しませて頂きました。

マンションリフォームの監理のコツ

白金台S邸

以前から何度か掲載していただいた、リフォーム業界唯一の新聞社、リフォーム産業新聞の取材を受けました。今回掲載していただく予定の記事は、新聞の名物コーナー「ザ・クラフトマン」になりそうだとのことです。

通常は、現場の管理をするプロの活躍ぶりや、現場管理のコツ・秘訣などを聞くコーナーだそうです。私、各務(カガミ)の場合、リフォームはあくまでも設計で、施工側ではありませんので、設計側の監理となります。

同じ読み方「カンリ」でも、管理(通称:クダカン)と監理(通称:サラカン)は違う作業を示します。

管理は、施工側が施工の品質や、現場の安全性を監督する作業を指すのに対し、
監理は、設計側が設計図通りの施工がなされているかを監督する作業を指します。

今回の取材では、これまでの幾多のマンションリフォームの設計・監理で培った経験を、お話しました。幾つかのポイントを紹介すると、

  • お施主さまを上手に工事にまきこむこと(お施主様に上手く関与して貰うこと)
  • マンションの管理会社、管理事務所と仲良くすること、
  • 廃材を少なくして、既存部品を上手く転用すること、

更に、近隣との関係のこと、職人と設計者の関係のこと、などなど、多岐にわたる内容をお話いたしました。8月18日に発売されるリフォーム産業新聞に掲載される予定だそうです。どうぞお楽しみに。
因みに二枚目の写真は、キッチンキャビネットの組み立て中です。