Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

木軸模型とプレカット図

新築住宅

大田区久が原の三世帯住宅N邸の木造部分の打合せがありました。本日は木軸模型(木造軸組み模型の略)を見ながらの打合せでした。木造建築物の基本構造体となる木製の土台、柱、梁に床や屋根の部材を組み合わせた構造模型のことです。大田区久が原N邸では、木造部分の床伏図と軸組図を基に新人スタッフの笠原君に、約一週間かけて、模型を作ってもらいました。

木造軸組模型

プレカットとは、従来は大工さんたちがが木工所で、手で刻んでいた木材の継手・仕口などを、工場に設置された自動工作機械で加工する工法のことです。本日はそのプレカットのための図面確認でした。プレカット屋さんと言われる職種の人が、設計図をもとに、彼らの方法で図面を書き直したものを、設計側でチェックする作業です。

在来木造プレカット打合せ

色々と細かい書き方に違いがあるのと、機械作業での得意不得意があるので、こちらの構造図とは完全には、一致しない図面になるのです。模型のお陰で、こちらの構造的な考え方をスムーズに伝えることができましたが、それでも打合せだけで約2時間程掛かってしまいました。チェック図をもとにプレカット屋さんに図面を訂正してもらい、その図面を再度チェックしてから、実際のプレカット作業に入ってもらう事になります。

梁貫通スリーブ

新築住宅

本日は近くに用事で寄ったので、鉄筋の配筋の様子を覗いて参りました。ちょうど本日は地中梁を貫通するスリーブの設置と、その周りの補強筋を入れているところでした。
スリーブとは、梁や壁に事前に開けて置く穴の事です。

パイプやダクトが通る箇所は、後でコンクリートに穴を開けるわけには行きませんので、(構造的に弱くなってしまうので)コンクリートを打設する前に、あらかじめパイプの通り道をつくっておく必要があるのです。スリーブの平面的な位置や、勾配を考えての高さを事前に図面でチェックしておき、その通りにスリーブが配置されているかを確認して参りました。

梁貫通スリーブ

スリーブを入れる箇所は、鉄筋も通りませんし、コンクリートも抜けてしまうので、その箇所が構造的弱点にならないように、穴の周囲に補強筋を入れます。二枚目の写真で、中央に二つ見えている筒がスリーブ用のパイプで、その周りに見えている菱形が二つ重なったように見える茶色い輪が、開口補強筋です。正式には、梁・壁貫通孔補強筋と呼ばれています。その他、写真に見える灰色の歯車のようなものは、型枠と鉄筋の位置がくっつかないように離れを確保する為のスペーサーと呼ばれる部品です。
床部分に半割りの灰色のパイプが伏せられているのは、ピットに流れ込んだ水が、水下に流れて、最後に雨水を溜める釜場に流れるように、地中梁の下部に設置した、スリーブの一種です。

換気対策と寒気対策 箱根別荘リフォーム-04

箱根C別荘

箱根中古別荘の第三期工事が始まりました。湿気の多い箱根山中の別荘なので、リフォームでは換気対策が重要になります。写真は、かつては天井裏だった箇所を天井を剥ぎ取って作ったオープンな吹抜けです。本日のような晴れの日に現場に行っても、窓を全開にした地上部分は風が通り抜け、とても爽やかですが、ロフトにあがるとムッと湿気と熱気が溜まっています。
そこでお施主様と一緒に考えたのが、換気扇と天井扇の取付です。まずは、工事の順序から換気口を開けて貰いました。人が入っていると、写真からは天井の高さが判り易いですが、床から天井吹抜けのトップまで、約6m弱あるのです。

別荘吹き抜け

妻面の両側に強力な換気扇を取付けることで、湿気と熱気を一気に屋外に排出する計画です。もう一つの天井扇は、まずは電源だけを用意して、機器の取付は後日の予定となっています。

二枚目の写真は、屋外から足場を登って、換気口にカメラを突っ込んで、反対側の妻面の換気口周りを撮ったものです。まだこちらには枠も、周りのプラスターボードも付いていませんが、壁面にビッタリと敷き詰められた断熱材が見えます。箱根でも一番寒いといわれている、湯の花温泉付近の別荘ですので、寒気対策もお施主様から頼まれています。特に天井吹抜けを作って、気積が大きくなっているので、壁面には全て断熱材を入れてもらっています。換気対策と寒気対策で、寒い冬も、蒸し暑い夏にも十分対応する別荘リフォームになる予定です。