Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

セミオーダーのTVボード&サイドボード@三田M邸

三田M邸

昨年末に竣工お引渡しをした三田M邸のお客さまから、幾つかの家具をオーダーで作りたいとのご依頼がありました。

その時点では、今回のために新しく購入したアルフレックスのソファ、以前のお住まいから使い続けてきた北欧テイストのモブラーのダイニングテーブルセットしか家具がなく、収納も足りず飾り物を置く場所もないので何とかしたいとのご相談でした。

こちらも幾度かお世話になったことがあるインテリアショップのトリシュナ・ジバーナに、偶然お客さまご夫妻もインテリアのご相談に行ったことがあったということが判っていたので、そのトリシュナ・ジバーナの家具を基本にして、サイズを調整し、素材もこちらで指定したセミオーダー品という形で、AVボードとサイドキャビネットを作って貰うことになりました。

お客さまのご要望と、こちらで室内を拝見して導き出した寸法でまずは見積り用のスケッチ図を描きました。

こちらのスケッチを共にトリシュナ側が描き起こしてくれた製作図がこちらです。AVボードの背面に来るコンセント位置との絡みや、色見本などを作って貰いながら幾度か図面のやり取りをして、最終承認を致しました。

そして2か月ほどの製作期間を経て、無事搬入まで終わったという連絡を貰ったので、インテリアの撮影に伺わせて頂きました。

壁際のAVボードは、エレベーターで搬入できる最大寸法で作って貰い、カウンター甲板を建具でも使ったゼブラウッドで作って貰いました。

左端に見えているAVボードで、色合わせして貰ったゼブラウッドが正面のものです。

ダイニングテーブルの奥の壁にはサイドボードを作って貰いました。お引渡し時にはまだ取り付けができていなかった、ダイニングのペンダント照明を吊られており、とても良い雰囲気に仕上がっていました。

まずは仮置きしてみたサイドボードです。背面のパネル張りしたクロスと色味が見事にマッチして、素敵な雰囲気でした。

ソファの背面のコンソールも、同じアルフレックスにお願いしたものが届いていました。

考えていた追加の家具、ペンダント照明などのインテリア備品がほぼ揃って、ようやく落ち着いたとMさまもとても喜んでくださっていました。

お料理好きで、いつも美味しいお手製のお菓子を用意して下さるMさま、この日は豆を入れたパイを焼いてくださっていました。ここまで色々な苦労があったけれど、こんなに素敵な空間に生まれ変わったことで、全てが笑い話になって本当に良かったと仰ってくださいました。

アレキサンダーラモントのパネル張り&造作家具組立

港区R邸

造作家具の組み立て設置が続いている港区R邸の現場状況を引き続き案内いたします。

リビング柱型裏のワインセラーコーナーの造作

先回のブログで、オニキスを張った柱型の側面にワインセラーコーナーが着々と組み立てられています。

パネルを張る前のリビング柱型

ワインセラーの背面側はタイにオーダーした特殊パネル待ちの段階まで仕上がっていました。

アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネル

ちょうどよいタイミング(そのタイミング調整も現場監督の大事な役目ですが)でお願いしていた、その特殊パネル、アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネルが現場に届きました。

アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネルの原材料のライ麦

ストローマルケタリー(Straw Marquetry(麦ワラの寄木細工))とは左のライ麦の茎を一本一本手で割いて、アイロンで伸ばしたものを天然由来の染色剤で染めて、それを一枚づつ手で加工して、放射状に張り付けるという気の遠くなるような作業を経て完成するパネルです。

港区R邸柱型の四周展開図

この柱型については、当初こちら側でこのような展開スケッチ図を描きました。これをベースにアレキサンダーラモントの日本側代理店のエルクリエーションに見積をお願いして、お客さまのご承認を貰ったうえで、施工図を描き起こして貰いました。

 

アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネル承認図

タイのアレキサンダーラモント側で描き起こしてくれた承認図です。これを設計デザインの僕らと、施工のリフォームキューで幾度かチェック確認、寸法変更などをしたうえで、最終承認して発注したものが、先のパネルです。

アレキサンダーラモントのストローマルケタリーパネル

パネルの取付は、思いのほか早く、他の作業を見ている間に、あっという間に張り終わっておりました…。

オニキスが2枚張られた港区R邸のリビングダイニング

オニキスとアレキサンダラモントの2大高級素材で張り分けられた柱型の様子です。それぞれの枠を黒色で統一したので、それぞれの素材が別々に主張せずに、とても良い感じに仕上がってきました。

TV壁横の柱型を抱き込んだAV機器収納の造作

その他の家具の組み立ても順調に進んでいます。テレビ壁の横のAV機器収納棚は、真鍮目地棒が入って、あとは扉とスティッチ入りのレザーパネルを張り付けるだけのところまで組み上がってきました。

組み立て途中の造作家具の真鍮見切り

部分的にオープン棚が入ったり、扉付きの収納が入るので、真鍮の目地棒の組み立て順が大変だったとのことです。

レザーパネルを取り付けてゆくと…、

レザーパネルが入ったAV造作収納棚

このように仕上がりました!
パネル割を工夫して、後ろに柱型があることをカモフラージュしています。

スティッチ入りレザーパネルと真鍮目地のディテール

スティッチ入りのレザーパネルと真鍮の目地棒のディテールもとてもきれいに仕上がりました。

このブログの最初で紹介したワインコーナーもここまで仕上がってきました。クオーツストーン製のカウンター上はカラーガラスで仕上げていますが、最後のコーキングと扉付けが終われば、このコーナーは完成です。

御影石のカウンターを組み込んだキッチンのペニンシュラ型カウンター

キッチンのオープンカウンター下の艶消しのカラーガラス(マテラック)と間接照明も入りました。

スチール製の棚を取り付けた寝室書斎コーナー家具

主寝室の書斎コーナーの造作家具もそれぞれの扉が取り付けられて完成です。

ベッドを置くニッチ部分も石製の腰壁上のレザーパネルが入り、完成です。ベッドの両袖の再度テーブルはオリジナルで作りましたが、それも大理石の甲板がつけば完成となります。

 

壁掛けテレビと両サイドの金属パネル

ベッドのちょうど反対側の壁にテレビを埋め込んだ様子です。

ベッドが入った際の枕元の位置から、テレビ埋込の壁を見たアングルです。テレビ下に見えている配線類は、ちょうど床に置かれているカバーで隠す算段となっています。

ミラーとカラーガラスと大理石の腰壁とテレビを組み込んだ主寝室の壁デザイン

撮影した時期が前後してしまっていますが、主寝室の入り口側からテレビ壁を見返した様子です。姿見の鏡とカラーガラス、その奥に金属パネルや大理石の腰壁が続くことで、不思議な奥行感が出てきました。

 

 

解体工事完了@白金台E邸

白金台E邸

ヴィンテージマンションリフォームの白金台E邸の解体工事が無事終わったとのことで、現場に伺って参りました。

築38年のヴィンテージマンションの解体状況確認

床仕上げを剥がしたところ、予期していなかったところからシンダーコンクリートが表れて、ハツリ範囲が増えましたが、施工会社の頑張りで騒音が発生すると近隣の方々に告知させて頂いたスケジュールの中で斫り(ハツり)も含めて終えることができました。

ヴィンテージマンションの解体_床シンダーコンの斫り作業

こちらが来客トイレの床の嵩上げモルタル(シンダーコンクリート)を斫り機ではつっている様子です。

築38年のヴィンテージマンションの解体状況確認

施工をお願いしているスタイル・イズ・スティル・リビング(以下SISL)さんは、同じマンションのほぼ同じ間取りの部屋の工事をしたことがあるので、とても頼りになります。

ビンテージマンションの解体

廊下からキッチンへの勝手口部分には、当初から天井の下がりがありましたが、天井ボードをめくってみたところ、集中エアコンのダクトが表れて、経路変更も難しいことが判ったので、キッチン側に伝えて、この箇所のデザインを変更することに致しました。

ヴィンテージマンションの解体

かつてキッチンがあった背面壁の解体の様子です。これも違うフロアの同じ間取りでの解体状況の写真を事前にSISLから見せて貰っていたので、想定通りという設備の配管経路を考えてゆくことができそうです。

ヴィンテージマンションの浴室の扉撤去

こちらは家族用浴室の扉サッシを撤去した様子です。床からの立ち上がりは残しているので、実測の上、そこに新しくステンレスの枠と強化ガラスのサッシを入れてゆきます。

ビンテージマンションの床シンダーコンクリ―ト斫り後のモルタル均し

こちらは解体確認の数日後ですが、シンダーコンクリートを斫った部分は左官屋さんによるモルタル均しの施工も終わっていました。

ビンテージマンションの床シンダーコンクリ―ト斫り後のモルタル均し

キッチンの箱が入る部分は遮音は関係しませんが、通路となる部分には遮音下地を入れたうえでフローリングで仕上げてゆくので、この均し作業が必要になるのです。その他、リビングの床スラブ中央部分に多少のたわみがあったので、床フローリングの施工精度のことを考えて、セルフレベラーを打って、フラットに仕上げて貰っております。