Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

暖炉リフォームの完成と着火式@西麻布N邸

西麻布N邸

リノベーション工事の検査を待たずに、取り扱い説明を受けてお引越しの始まった変則スケジュールの西麻布N邸で、暖炉リフォーム部分が完成したので、その取扱い説明で着火式を執り行いました。

マンションでは珍しい本物の暖炉で、お客さまのNさまも暖炉は使ったことがないということで、マンション建設時に暖炉を設置した業者であり、今回のリフォームでも耐火レンガ積みなどを施工してもらったメトスの辻さんに来てもらいました。

まずは、基本的なことですが、給気がないと火が付かないことや、暖炉の中にある蓋を開けないといけないことを教えて貰いました。Nさまが蓋を開けたことで、空気の流れができたことを、暖炉内部を覗いて確認してくださっている様子です。

暖炉は一度着火してしまうと、火が消える最後まできちんと見ていないといけないことになってしまうので、軽く火をつける為のセットを辻さんが用意してくれました。木の端クズを組んで、その上に着火剤をのせるセットです。

このセットを組んでおけば、マッチ一本で簡単に着火ができます。

すぐに下の木っ端(コッパ)に火が移ってゆきます。

火が無事付いたところで、Nさまが事前に購入して下さっていた、除虫してある薪を暖炉横の薪置き場にレイアウトしながら詰めてゆきました。お子さまのN君は、留守でしたが、火が着く様子を見たら、きっと大喜びしてくれそうです。ただ、火の粉が散ったり危ないこともあるので、以前からあったガードを火の前に立てておくことを辻さんが説明してくれています。

火が消えるまで、Nさまご夫妻とメトスの辻さん、現場監督の石山さん、前田君と僕の6人で、しばらくおしゃべりをさせて頂きました。素敵な大理石製のマントルピースと暖炉の火があることで、とても落ち着いた雰囲気のひと時を過ごさせて頂きました。
まだ、残工事や未成工事が残っている西麻布N邸リノベーションの現場ですが、無事着火式(?)を済ませることができたことで、ひと段落がついた気になってしまいました…。

 

リマデシオ、サルバトーリ、リストネジョルダーノのイタリアン三役揃い踏み

港区R邸

解体工事に着工した港区R邸は、まだ内装仕上げ材で未定部分があるので、それらを急ピッチで打ち合わせ中です。

主寝室のウォークイン・クローゼットの扉は、イタリアのRimadesio(リマデシオ)社で既に発注を掛けておりましたが、ガラスの種類だけはまだ未定でしたので、用賀のリネアタラーラのショールームで、実物を見ながら、どのガラスが良いかを確認して頂きました。

リマデジオ社のガラスには、合わせガラスの間に何を挟むかによって多様な透明度を選ぶことができますが、主寝室の他の素材の色味と合わせて、ブラウン色の金属メッシュを入れたガラスを使うことに決まりました。

玄関ホールは、床がシチスのモザイクタイル、正面壁がマット仕様カラーガラスのマテラック、左側壁は大理石まで決まっていましたが、右側壁が未定のままでした。レザー張りや特殊加工も木等もご提案してきましたが、お客さまの感性と合わず、ペンディング状態でしたが、インテリアズが扱っている加工大理石のサルバトーリをご案内したところ、気に入って頂くことができました。

実は、奥さまには家具ショールーム訪問時にチラッと見て頂いたことがありましたが、ご主人にはお見せしたことがありませんでした。色々な石種で、その加工方法で9通りものバリエーションがあるので、それらの特徴を簡単にご説明させて頂きました。

このピエトラ・ダヴォーラの石種をChevron加工したものを、木製フレームの間に嵌めてゆくデザインでお見積りとCGイメージを作って、それらを確認の上、最終決定とすることになりました。

キッチンのサービスカウンターに使う素材も、中国福建省で候補としてコスモスブラックを選んでおりましたが、実物サンプルを貰うことができなかったので、このインテリアズ・ショールームにある似た素材を見て頂きました。

こちらが用意していたCGと先ほどのキッチンカウンターを見比べて頂いた上で、コスモスブラックで進めることのご承認を頂くことができました。

また、主寝室の床フローリングについては、イタリア製フローリングブランドのリストネジョルダーノのスライドという種類のフローリングをご提案しておりました。

こちらが芝園橋にあるADワールドのショールームにあるリストネ・ジョルダーノのスライドを実際に張った実例です。

この鋭角の交点に当たる部分が、どこまで正確に出来ているのかを、実物で確認させて貰いましたが、本当に正確に作られていました。

フローリング同志は、普通のオスメスのある実(サネ)加工ではなく、両方ともメス加工で間に雇い実(ヤトイサネ)を挟んでの張り方になるとのことでした。特殊な張り方なので、ADワールドの責任施工(材料を提供してくれる会社がフローリング張りまで責任をもって施工してくれる方式)となるとのことでした。

タイミング的に、お客さまと一緒にショールームに伺うことができませんでしたが、これらの写真をお見せしながらご説明した上で、リフォームキューの営業の坂本さんとRさまに一緒にショールームに行って頂き、色味とディテールを実物で確認して頂い上で、決定となりました。
日本では、まだ知名度がそれほど高くない、イタリア初のインテリア素材ブランド三役を一度に使わせて頂くという贅沢を楽しみたいと思っております。

新規プロジェクト:二番町I邸の現地調査&サッシ詳細採寸

二番町I邸

新しく始まったプロジェクト二番町I邸の現地調査に伺って参りました。築12年の117平米(35坪)のお宅をLDKとお風呂を中心にリフォームするプロジェクトです。一度、ご購入が決まった時点で、前のオーナーさまがまだ暮らしている時点で現地を拝見させて頂きましたが、調査ができるような状況ではなかったので、前オーナーのお引越し後に改めて、現地調査に入らせて頂きました。

パッと見たところ、とてもきれいで、大きくリフォームする必要は無さそうに思えるのですが…、

お子さまが二人いらっしゃるIさま一家は、できればオープンスタイルのキッチンと、ご家族が集まれる大きなダイニングスペースがご希望で、インテリアとしてももっとニュアンスカラー(ヴィヴィッドカラーの反対で、彩度の低い色でグレーやベージュを中心として色合い)で纏めたいとのご希望です。
こちらが既存のキッチンの様子ですが、奥に見えるダイニングスペースに大きな問題がありました。

こちらは、事前にこちらで用意したLDKのリフォーム案です。左上の既存プランに対して、左下のリフォームA案では、ダイニングテーブルを窓際に置けるようにキッチンを縮小し、オープンカウンター設けたプランです。右下のリフォームC案は、既存とほぼ同じ大きさのキッチンとダイニングスペースで、柱型の横からベンチシート設ける考えでした。右上のリフォームB案はキッチンとダイニングの位置を交換して、窓際にキッチンを持ってゆく変形プランです。
Iさまは、広いダイニングが実現できるC案が良いのではとのご意見でした。キッチンをどのように開放的にして、リビングの家具レイアウトをどうするかを、これから相談してゆきたいとのお話でした。

キッチンを窓際に持ってゆく可能性があったので、窓サッシの位置や高さ、細かいディテールの寸法まで、担当スタッフの神崎さんに実測してもらいました。

細かく実測しながら、サッシや枠の位置関係を図面化するための寸法資料を集めていきます。

神崎さんと各務の実寸データでサッシの細かい図面を起こすことができそうです。

他の窓についても、寸法体系が同じかどうかを確認し、柱の位置なども実測で平面詳細図通りかを見て貰いました。

天井の段差位置や、照明器具、自火報、エアコンや点検口の位置もチェックしてゆきました。

その他、キッチンを作り替えるうえで、重要な要素になるシンク下のディスポーザーと設備配管の位置関係も調べました。

リフォーム後のキッチンも、シンク下の引き出しがほぼ同じ形状になると予想されるので、引き出しについてもチェックしておきました。
これらの資料をベースに、もう少し詳細まで詰めたリフォーム案を作りつつ、キッチンショールーム周りをお客さまとしてゆくことになりそうです。