ネオ・クラシカルなリフォームの乃木坂U邸の工事が終わり、Uさま夫妻に来ていただいての施主検査を行いました。
ブログは時間逆転で、まずは検査後のお決まり(?)のお客さまとの記念撮影からです(笑)。
当日はまずご主人さまが最初にいらしてくださり、検査を始めさせていただきました。通常のリフォーム&リノベーション工事の施主検査は、家具やインテリアが入っていないまっさらな状態で行うことが一般的です。カガミ建築計画では、家具やインテリアも建築工事と同じ程度の重要度で考えているので、家具インテリアが整ったところで初めて完成として、もうすぐにでもお客さまが住めるような状態になったところで検査をお願いしているのです。
家具が入った状態での検査のメリットは、
- 暮らしの目線で気になる箇所、使い勝手の確認ができること
- 普段行うことのない「検査」で、お客さまが緊張せずにリラックスしながら検査できること
の2点だと思っています。ネットで施主検査、あるいは竣工検査と調べると、なぜか工事をする施工側を疑う視点で、細かい部分の傷や汚れを見逃さないようにチェックするように書かれています。天井裏を覗き込むための手鏡や、水平器などを持ってゆくように勧めているサイトもあります。
実際には工事がほぼ終わった段階で天井裏をチェックしても良いことはなく、そこまで気にするのであれば工事最中に現場を訪問すべきですし、僕らカガミ建築計画がお手伝いしている場合は、設計監理の僕らが工事最中から天井裏や床下、壁裏に隠れた不具合がないかを確認し、写真やブログでお客さまに情報提供しているので、不要だと考えています。
施工側がインチキをしていることを前提に細かい部分に集中して、重箱の隅ばかりをつつているより、実際に暮らす視点で見ることの方が重要だと思っています。立ったままでチェックするより、椅子に座った低い姿勢で見える壁や床などをチェックしたり、お掃除をする視線で、家具の隙間などを見ていただく方が余程、その後の暮らしの為になると考えています。よくありがちな検査のための検査にならないことが何より重要だと思っているのです。
ちなみに、家具が入った状態でのデメリットは以下のことだと思っています。
- 家具やラグなどの下に隠れてしまった箇所のチェックができないこと
- チェック後の補修が大掛かりになった場合、入れた家具を動かしての補修になってしまうこと
勿論家具で隠れてしまう箇所も設計監理側ではチェックしていますし、家具を入れても良い状態になるまでキチンとみていますので、上記の問題はクリアできていると思っています。
実際には実務上、工事完了のタイミングを待って家具(特に時間のかかる輸入家具)を入れるのは大変なのでですが…。
食後のお片付けを家族内で担当しているUさまはキッチンの使い勝手や清掃性がとても気になるとのことは、当初のお打ち合わせから伺っていたので、工事をお願いしたリフォームキューの営業/設計の坂本さんと一緒にその視点で細かくチェックしていただきました。
ただ、キッチンについてもフルオーダーで作ってもらったキッチンで、使い勝手や収納については何度も打合せをしてご納得の上で作っているので、大きな問題はなさそうでした。僕らの設計検査の際に、キッチンの2段カウンターの出隅がとがっていると、お子さまがぶつかったときに危険なので、キッチン屋のリネアタラーラにお願いして隅を面取りしておいたことなどを喜んで確認してくださいました。
お客さまもリラックスした状態で、これからの引っ越しに際して、まだ足りていない家具やインテリア備品の購入の準備、そして加湿器やお子さま用のおもちゃやお絵描き道具をどこにどうおいてゆくかを皆で一緒に考えさせていただきました。
そうこうしているうちに奥さまも来てくださりました。ご主人さまは、検査前にも現場に幾度か寄って見てくださっていましたが、奥さまはまだ下地だった頃しかご存じなかったので、テレビの「劇的リフォーム」番組のように喜んで下さいました!
リビングダイニングもキッチンも玄関も喜んでくださいましたが、お二人が最も気に入ってくださったのが、LDから寝室へと続く廊下に設けた通り抜け型の洗面カウンターでした。