Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

大工造作工事@白金台E邸

白金台E邸

壁や天井の下地にボードを張ってゆくと同時に、大工さんのフローリングや建具枠などの造作工事が白金台E邸で進んでいます。

ダークな色味が印象的なサーモオークのフローリングがリビングダイニングとキッチンに張られました。

こちらのマンションの管理規約はまだ古いもので、床遮音に関する規定がない状態でしたが、ちょうど現在リフォーム規約を新たに設けるべき管理組合が打ち合わせを始めているとの話を聞いていたので、旧LL40に対応する床遮音マットとベニヤ板を敷いた上にフローリングを張って貰っています。

先回のお客さま立ち合いでのスイッチやコンセント位置の確認を終えていますので、その方針に沿ってダイニング部分の壁に作られたニッチに照明のスイッチとインタフォーンが設置されました。玄関ホールからリビングダイニングへの入り口には照明のオンオフスイッチだけを設け、キッチンに近い壁に調光スイッチを配置する考えです。

玄関ホールに面した来客用トイレの入り口枠(写真左側)も設置され、天井のダウンライト(天井埋込照明)の穴開けも進んでいます。

リビング南側の窓周りには木製枠が据え付けられました。大きな窓が二つありますが、近隣マンションから視線があるため、これまではレースのカーテンを掛けて採光と通風に使ってきたそうです。

今回は壁一面にシャープシェードを吊るし、ソファーをこの壁に沿ってレイアウトする予定となっており、その舞台セットとして木製の三方枠をフレームとして廻し、そこに間接照明をつけてシェードと柄物のカーテンを吊るす予定です。窓前に置かれているものは窓の落下防止用の手すりです。

リビングダイニングの壁一面にはモールディングや腰壁を設けることになっていますが、それらの部材も現場に届いていました。

キッチン部分には給排水や電気、排気ダクトなどの設置も進んでいます。右上に排気ダクトが見えていますが、キッチンの吊戸棚で隠す予定です。

プライベートゾーンの奥、主寝室の隣の奥さま専用のウォークインクローゼット(WIC)の造作も進んできました。

実用性重視の奥さまのご意向で、こちらのWICは可変性を考えた壁付け金物(ロイヤル)やイケアの引き出しユニットのコンプレメントシリーズを組み合わせて、華美ではなく使い勝手の良いクローゼットを作ってゆく予定です。

家族用の浴室には新しくステンレス鏡面仕上げの枠が取り付けられました。強化ガラスが入れば、洗面所と一体化して広く、そして美しい水回りにユニットに生まれ変わってくれるハズです。

主寝室横の水回りセットの内壁には既存タイルの上から張れる3ミリ厚のブクシースリムを張っている最中です。

玄関ホール横の来客用トイレにも同じブクシースリムの色違いを張っています。

玄関ホールとリビングダイニングを繋ぐ建具の枠も入りました。

今回はコーナーサッシのような形状で、玄関ホール側からは腰高の靴収納棚が取り付く複雑な作りになっているので、施工をお願いしているスタイル・イズ・スティル・リビングの齊藤社長や現場監督の中川さんとは施工図を何度もやり取りをしてデザイン・作り方を決めて参りました。こちらも出来上がりが楽しみです。

イタリア製モザイク大理石・シチス(SICIS)張りの玄関ホール床

港区R邸

玄関ホール床にご提案したイタリア製天然大理石製のモザイクタイルのシチス(SICIS)が港区R邸の床に実際に張られましたので、そのプロセスを纏めておきます。

シチス(SICIS)のモザイクタイル

モザイクというと、一般的に細かいタイルをモザイク状に張ったものと考えられがちですが、タイルに限らず本物の天然石や大理石をはったものもモザイクタイルと総称されます。「モザイク」という小さな破片を組み合わせて図柄を表現する考え方は、古くはギリシア・ローマ時代から始まり、イスラム文化で華開いたものですが、今でも地中海沿岸地方にはその影響が色濃く残っているそうです。

シチス(SICIS)のモザイクタイルショールーム見学

イタリアで最も質が高いモザイクタイルと言われているシチス(SICIS)のショールームを最初に訪問したのが昨年の11月でした。

シチス(SICIS)のモザイクタイルショールーム見学

僕らがイメージしている色味やデザインに合う柄がショールームには無かったのですが、カタログに掲載されていたこの柄と色味がとても良さそうでしたので、こちらをお客さまにご提案することになりました。

シチス(SICIS)のモザイクタイルショールーム見学

このサンプルを同じ柄なようですが、色味が違うと見映えも全く変わってくるようでした。

シチス(SICIS)のモザイクタイルショールーム打ち合わせ

このモザイク大理石を落とし込んだ玄関ホールのCGをお見せしながら、お客さまと一緒に青山のシチスショールームでのお打ち合わせの様子です。モザイクの質はショールームで確認し、全体のデザインはCGで見ることでご納得の上で決定して頂くことができました。
イタリアに確認した貰ったところ、元となる大理石は在庫があることが判りましたが、納期が5カ月半掛かることが判っていたので、この場でお客さまのご承認を得て、サイズ確定後に発注する運びとなりました。

シチスモザイク大理石_ピースサイズ情報

シチス・ショールームを運営しているTOYOキッチンの弊社担当営業の兵庫さんから貰った、こちらのタイルのパターン寸法図です。こちらは柄がの切れ目がきれいに入るようにしたかったので、赤字の寸法を出してもらったうえで、2000×2000ミリの寸法で発注することとなりました。

シチスのモザイクタイル

そして5カ月半後に届いたモザイク大理石がこちらです。

 

 

シチスのモザイクタイル

幾つかの予備ピースと一緒に入っていたモザイクのビニールシートを剥がしてみた様子です。

シチス(SICIS)のモザイクタイル施工

玄関ホールの床の周囲の大理石とボーダーの石が張り終わったところから、モザイク大理石張りが始まります。

シチス(SICIS)のモザイクタイル施工

一度、全てを仮敷きしてみたうえで、寸法の大きな狂いがないことを確認後、二人の石屋の職人さんがコーナーから順次張ってゆきました。

シチスのモザイクタイル

張り上がった途端に傷つかないように養生されてしまっていましたが、現場監督の織田さんにお願いしてチラ見させて貰ったのがこちらでした。

シチス(SICIS)のモザイクタイル

その後、養生を外して、出っ張っていたり、凹んでいた箇所を補修してもらった上で、きれいに清掃しても貰った状態がこちらです。とてもきれいな色味と柄で、品のよい上質感があり、これはお客さまにも喜んで頂けそうな仕上がりになりました!

 

雑誌「I’m home」に元麻布I邸が掲載されました

元麻布I邸

2年前の夏に竣工お引渡しをした元麻布I邸が、高級インテリア雑誌「I’m home」に掲載されました。

高級マンションリノベーション&インテリア

巻頭の「Values of Renovation ー空間のグレードを高めるリノベーションー」という特集に取り上げて貰いました。

7月14日(土)発売の、このような夏らしく涼しい表紙です。

「色と素材を楽しむインテリア」という副題に沿って、素材と色味の展開についての丁寧な説明ときれいな写真が展開されています。

お客さまもとても気に入ってくださっており、僕らも愛着のあるアムスタイルにお願いしたキッチンについては、パントリーやワイン&コーヒーコーナー等の使い勝手まで踏み込んで解説してくれています。壁に使った大理石調の輸入タイルのフィアンドレについては、編集長の角田さんが気に入ってくれたようで、他のページでの商品紹介をしてくれています。

廊下の大容量の本棚収納や、ご主人さまのカメラコレクションを楽しみコンパクト書斎や、奥さまこだわりのエレガントデザインの洗面カウンターのこと、

お客さまがお引渡し後に僕らとは別に、インテリアデザイナーの荒井詩万さんにお願いして内装コーディネートしてもらったお子さまのお部屋と、新たなアートを購入して撮影に備えてくださった主寝室もきれいな写真を撮影して紹介してくれています。