Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

白金台E邸の一年点検&補修

白金台E邸

昨年の秋にリフォーム竣工しお引渡しをしていた白金台E邸の一年補修に立ち会って参りました。

いつもきれいに暮らして下さっているEさまのリビングダイニングの様子です。以前と大きく変わったのはリビングの床のラグです。こちらからも何種類かのラグをご提案していたのですが、これという決め手がなくそのままになっておりましたが、奥さまが偶然見掛けたオーダーラグを気に入ったとのことで、大判のラグを入れてくださっていました。

補修内容については、施工をお願いしたスタイル・イズ・スティル・リビングの斉藤さんが以前にお伺いして、内容確認をしてくれていたものです。
こちらはお引渡しすぐから歪みをご指摘されていた書斎のトール収納の扉の補修です。写真にも見えている扉裏に取り付ける「反り矯正金物」を入れた建具に交換しておりましたが、それでも歪みが気になるとのことで、一番反っている扉中央部にラッチをつける工事を現場監督の中川さんが工事してくれています。

こちらは既存のものを塗装した浴槽ですが、シャワーヘッドを間違えて落としてしまったことで傷がついたようなので、その補修をとのご要望でした。

当初塗装して貰った塗装屋さんに来てもらって補修をして貰いました。

今回の補修で一番大きな項目はキッチンでした。お引渡しの使い慣れていない段階で、コーナーの引き出しの片方が仕舞われていないのに対角の扉を開けてしまったことで付いた傷の補修や、

やはり家電収納とパントリー引き戸のバッティングでの傷などの補修でした。こちらについては、キッチンをお願いしたモービリティーポの徳永さんからの手配で、補修屋さんが来てくれましたが、エアーブラシを持参してくれるような精密補修が得意な方でした!


因みにエアーブラシは液体の塗料を霧状にして吹き付ける道具で、素材に直接触れずに塗装できるため、筆や刷毛の跡が残らないのが特徴です。キッチンの扉材を工場で作った時と同等の作り方となります。左手にドライヤー、右手にエアーブラシを使いながらの作業、しばらく見とれてしまいました。

奥さまからはとにかく快適で使いやすく、本当に満足して下さっているとの感謝のお言葉を頂きました!

事前部分解体調査@麹町K邸

麹町K邸

プラン及び図面作成進行中の隣接二部屋同時リフォームの麹町K邸で、部分解体調査に入らせて頂きました。

竣工図を見て、幾つかのカ所で不要なほど大きく取られているPS(パイプスペース)があり、それらがどのように使われているのか、壁の一部を開けて調査して貰いました(マンションの登記図面を確認してPSが専有部であることは事前確認しています)。現在、施工会社として2社の相見積もりを想定していますが、そのうちの一社の現代製作所の上林社長と吉岡さんにお願いして調査して貰っています。

最初に、開口したいカ所を弊社設計担当の竹田さんと各務で指示し、その各箇所を35センチ各程度のサイズに電動カッターを使ってボードを切って貰ってゆきます。

キッチン背面の壁や、

窓際のコピー機が置かれた後ろのPS等を順次開けていって貰いました。

ベランダ側のPS内部を覗き込んでみると、天井から梁を避けてたダクトが見えました。ただ、天井から30センチほど下がった所までしか使われておらず、共用の設備は通っていないことが判ったので、このスペースは有効活用できそうなことが判りました。

こちらのPSも専有部配管が一部を通っているだけなことが判りました。

こちらはベランダのガス給湯器へのガス管と給水給湯管が一部を使っているだけでした。他も概ねこちらが想定していた専有部配管が一部を占めているだけだったことが判り、それらの余剰スペースを何らかの方法でうまく使える計画を立ててゆけそうです。

当日はお客さまご夫妻にも事前調査に立ち会っていただいたので、このタイミングで浴室のガラス扉から内部が見えすぎてしまうことに対して、半透明のフィルムの透け具合を確認して頂きました。

グラデーションが掛かって、上は半透明でも下に行くに従ってスモーク度合いが強くなるフィルムや、普通のスモークフィルムを確認して頂き、曇り度合いを決定することができました。

また、サイズを変更しないトイレで、カウンター奥行はそのままで半分外にはみ出るタイプの手洗いボウルをご提案しておりましたが、その型紙をあててサイズ確認もして頂くことができました。
それぞれ図面ではある程度想定していたものでしたが、実際にお客さまにサイズや透け具合を確認して貰い了承を得ることができましたので、ここからデザイン及び図面作成のスピードを速めてゆくことができそうです。

下地造作工事@松濤D邸

松濤D邸

松濤D邸の現場が、地味な作業ながらゆっくりと進んでおります。

松濤の高級マンションリフォーム

壁裏の補強下地が入り、天井の間接照明の形状も変わってきました。正面に見えるキッチンとの間仕切壁にもクロスパネル張りの下地が作られています。

松濤の高級マンションリフォーム

右側に見える壁がクロスパネル壁下地です。6ミリ厚のケイカル板で作って貰っています。写真正面がワインセラー収納が入るニッチです。

松濤の高級マンションリフォーム

クロスパネルで難しいのは、壁が出墨でコーナーを曲がってゆく際の処理です。こちらでは、縦方向だけでなく、横方向にも目地を切って、その目地が建具が入るニッチの中に差し込まれるデザインとしています。

松濤の高級マンションリフォーム

リビングのテレビボード下地と、折り上げ天井の形状変更状況です。大工さんとクロス屋さんが合番(二種類以上の工事業者が一緒に現場で作業すること、相番とも言います)で入っているので、クロスの糊付け機も入っていました。

松濤の高級マンションリフォーム

キッチンは本体はほぼいじらないので養生されたままで、背面収納を設置するための下地壁とコンセント開口などが作られていました。

松濤の高級マンションリフォーム

玄関ホールはまだLGS下地のままでした。先日のダイノックシート張りなどの作業が入っていたので、玄関側は遅れての進み具合となっていました。左側壁にはニッチが作られているのが判りますね。

松濤の高級マンションリフォーム

造作家具用のサンプルが現場に届いていました。下に敷いてあるのが今回フローリングとして採用したIOCのフローリング材です。この色味をお客さまがとても気に入って下さっており、リビングダイニングに作る造作家具を揃えた色味になさりたいとのことで、色違いも含めてフローリングサンプルを5本貰い、それらの色幅も見ながらサンプルを作って貰いました。2枚の板がサンプル板です。奥の物が良さそうだとのことに決まりました。

松濤の高級マンションリフォーム

来客用トイレです。こちらは既存の手洗いカウンターを再利用しながら、あまりお金を掛けずに模様替えをしようと考え、腰壁にキッチンパネルを使っています。

松濤の高級マンションリフォーム

ただ、キッチンパネルは端部のおさまりが悪いので、特に出墨のディテールが重要になってきます。既製品のアングル金物を使って、小口を隠すディテールに挑戦して貰っています。