Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

アンティーク家具屋で照明器具探し@成城Z邸

成城Z邸

アートや調度品を沢山お持ちの成城Z邸のお施主さまが、以前から気になっていアンティークのブラケット照明があるとのことで、ご一緒に世田谷区北沢にあるアンティーク家具屋のウエストウッドのお店を訪問して参りました。

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井之頭通りに面したお店は、以前からよく前を通っていたのですが、店内に入るのは初めてでした。毎年イギリスに買い付けに行っているとのことで、店内所狭しとダイニングテーブルやチェア、ソファやコンソールが並んでいました。

DSC_8363_ptアンティーク照明器具は天井だけでなく、壁にもぎっしりと並んでいました。ペンダント照明であれば、ひとつでも十分なのでしょうが、ブラケット照明はセットになっていないと使い道が限られてしまうので、集めるのが大変だそうです。

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こちらがZさまが以前より気にっていて、予約取り置きをしてくださっていたアールデコ調のブラケット照明です。乳白のガラスは厚みがしっかりとあり、優しい光を透過してくれそうです。ガラスを支える鉄製のブラケットもきれいな状態でしたので、お店に残っていた3つを寝室の壁に並べることに致しました。

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玄関正面のホールの天井にも良さそうな照明があればと探していたところで見つかったのが、こちらの2つセットになったペンダント照明です。ガラスの質が先ほどのブラケット照明に似ており、黒い鉄でできた吊り下げの機構部分もきれいでアクセントになりそうだとのことで、こちらを玄関ホールに採用することに決めました。天井から吊り下げ高さの調整が必要そうなので、後日現場でチェックして、場合によってはクサリをカットすることで微調整して貰うこともお願いすることになりました。

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こちらが今回お世話になったアンティークショップのウエストウッドさんです。まだ、照明器具以外にも玄関に置くベンチや、来客用トイレに置くコンソールも探す必要がありますので、今後もお世話になるかもしれません。

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アンティークショップ訪問前に、一度事務所に寄っていただき、インテリアの色決めの打合せを致しました。

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寝室は薄いブルーを基調としたインテリアになさりたいとのことで、ベッドの後ろの壁にウルトラスエードのブルーグレー色の布地を張ることになりました。その色にあった造作家具をとのことで、チークの突板の家具を合わせることにいたします。

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ショップ訪問後は、解体工事が始まった成城の現場に伺って、先ほど決めた色の最終判断をして頂きました。

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ベッド背面の壁はブルーに決まりましたが、あとはカーペットか壁かカーテン、ベッドのリネンのどこまでをブルーにするかを一緒に考えさせていただきました。

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最終的にどうなったかは、仕上がりを楽しみにして頂ければ幸いですが、壁色は隣に設ける書斎と一緒のグレー色に決まったようです…。

 

床下の設備配管とLGS下地@原宿K邸

原宿K邸

墨出しと設備関係の整理が終わった原宿K邸では、設備配管工事とそれに続いてのLGSの下地工事が始まりました。

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まずは床下の給水給湯・排水管の設置が先行します。オレンジ色のサヤに入っているのが給湯管で緑色が床暖房用温水管で、濃い灰色は給水管で、奥に少し見えている太めの灰色の管が排水管です。

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今回はコンクリートスラブから仕上げ床を8センチほど上げるので、これらの複雑に入り組んだ配管は全て床下に隠れることになります。

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キッチンのシンクからの排水管は、キッチンキャビネットの下をくぐって、大きくコの字形に湾曲しながら流れてゆくことになります。配管経路が長いので、途中には清掃口を作って、点検口から高圧洗浄ができるように配管して貰っています。

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床暖房用の温水管は、新たにベランダ側の壁にコア抜きで穴をあけ、そこからベランダの給湯器に繋げてゆきます。ガス管や給水管、給湯管も必要になるので、ここらあたりが一番配管密度が高くなっています。

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キッチン屋さんに墨出して貰った位置に換気扇用の孔が貫通され、亜鉛鋼板製のスパイラルダクトが取り付けられています。

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施工をお願いしているの現場監督の田所さん、夏井さん、設備業者さんも交えての現場打合せ風景です。

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設備配管が一通り終わった後に始まるLGS下地工事のためのLGSがすでに現場に搬入されています。

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次週になって、おおよそLGS下地が立ち上がった現場の様子です。複雑に絡み合う設備配管とLGSがきれいに整理された状態で立ち上がっていました。

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墨出し通りに立っているLGS、同じく墨出し通りに設置されている給水管がきれいに並んでいます。床下の寸法に余裕があれば、ここまで設備配管を慎重に配管する必要はないのですが、今回は寸法的にギリギリなので、田所さんが頑張って整理してくれたようです。

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右側から玄関ホール、トイレ、廊下、洗面と空間が並ぶエリアのLGSです。上階の配管が天井裏に走っており、さらに引き込み扉が多数組み込まれているので、見た目以上に複雑なLGSの組み方になっています。

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水回りのコアを右手に見ながら、リビングから寝室を望むアングルの写真です。ここら辺には造作の複雑な家具が入り、色々な仕上げ材がセットされることになるので、出来上がりが楽しみなシーンです。
次の工事のためのベニヤ板が搬入されていました。

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トイレの排水管の状況です。写真中央右手で床下に潜り込んでいるのが排水管です。ここには便器からの太い排水管と手洗いからの細めの排水管が合流して、下階の天井裏の横引き管に流れ込むことになります。手洗いからの横管にキノコのような白いものが見えますね…。

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白いカバーの発砲スチロールと取ると、このようなものが現れます。これはドルゴ通気弁と呼ばれるもので、排水管内の圧力を調整してくれる便利な設備器具です。普段は閉まっていますが、配管内部が負圧になった時に弁が開くことで、圧力を調整する仕組みなっています。当初は設置されていなかったのですが、便器の排水の勢いで手洗いのトラップの水が吸い取られてしまう可能性がありそうだったので、急遽設置して貰うことになりました。

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久しぶりに在来工法で作ることになった浴室の天井裏にはTESの浴室暖房乾燥機が設置され、屋外への排気ダクトも準備されていました。

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毎週の現場定例打合せ後には、現場近くに辰が借りている現場事務所によってその次の週以降に問題になりそうな箇所の事前チェックや、施工図の読み合わせをしています。現場を預かって頑張ってくれている田所さんと、その上司で経験豊富で厳しい夏井さんとの打合せ、毎回長時間になってしまいますが、とても勉強になっています。

スタイリッシュリノベーション赤坂S邸の竣工検査

赤坂S邸

最初のリノベーションご相談から1年掛かって、ようやく赤坂S邸のリノベーション工事がほぼ終わり、お施主さまのSさまと一緒に竣工検査をさせて頂きました。

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こちらは毎回ほぼお決まり(?)のお施主さまと関連工事担当者一緒の記念写真です。左からリフォームキュー(RQ)の設計・営業担当の岩波さん、東京バススタイルの和久田さん、弊社担当の前田君、お施主さまのSさん、RQの現場監督の鈴木さん、同じくRQの石原部長、そして僕、各務です。キッチンでお世話になったアムスタイルの設計・営業の宮本さんと現場監督の寺口さんは、残念ながら先に帰ってしまい、一緒に撮影できませんでした。

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このような形で約1時間半ほど掛けて、Sさまと一緒に皆で各部屋を回って、塗装のムラや欠け、建具や造作家具の不具合がないかを見てゆきました。

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幾度も設計変更してデザインしてきた洗面所の出来には、とても満足してくださいました。

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僕らにリノベーションのご相談を頂く前から、ショールームに足しげく通ってくださっていた東京バススタイルのオーダー浴室では、和久田さんが取扱い説明を先行して行ってくれました。

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何より一番こだわってきたアムスタイルのキッチンの検査では、全ての収納扉の開閉チェックまで行いながら、暮らし始めた際にどこにどのようなものを収納してゆくかをご一緒に考えさせて頂きました。

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検査の隙に撮影してみたLDKの全容写真です。リノベーション前の以下の写真を比較して頂くと、どれだけ変わったかが判りやすいと思います。因みに左側の壁に黒く見えている四角い部分は、壁掛けテレビを埋め込むためのニッチで、下部にAV収納を埋め込んでいます。

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ほぼ同じアングルの写真ですが、キッチンをオープンにして、無駄に幅広かった廊下をLDに取り込んだことで、広さがグンと広がったのが判るでしょうか…。

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こちらは主寝室です。部屋のレイアウト上、お子さまのお部屋を窓ありにしたので、主寝室には窓が無くなってしまいました(といっても、建築法規上は引き戸で2室1室の考えで採光条件は確保していますが)。窓がないことを逆手に取って、シックなウォールナット製の造作棚と間接照明、そして静謐な雰囲気をたたえる上品な堀田カーペットの絨毯がとてもうまくマッチしてくれました。

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お引渡しのタイミングまでにキッチンカウンター上にペンダント照明を決めて、取り付けて貰う予定となっていたので、これまでに候補として挙げてきた照明器具の原寸シートを作って、このような形で現地に浮かべた様子を見て頂き、器具を決定して頂きました。

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検査後にリフォームキューの石原さん&岩波さん、うちの前田君にSさまがキッチンカウンタ‐に集まって、お引渡しまでのスケジュールを打ち合わせている様子です。まだリビングに家具がないからかもしれませんが、自然と人が集まるキッチンカウンターで、毎回打合せの度にこのようなスタイルでお話をさせて頂きました。