Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

間接照明用LEDのデモンストレーション

六本木N邸

設計中の六本木N邸だけに限らず、照明として間接照明を使う機会が多いので、日々進化が激しいLEDの最新状況を教えてもらうために、プロテラス社の担当者に事務所に来てもらい、実物を見ながらのデモンストレーションをお願いしました。

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これまでも、プロテラス社のルーチシリーズ以外には、DNライティング森川製作所森山産業などを適材適所に使ってきたツモリですが、中々定番となるものが見つかっていなかったので、LEDのライン照明でコンパクトなものをなるべく多く持ってきてもらい実験させて貰いました。

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照明の幅や高さ、調光可能かどうか、光の粒が見えるか見えないか、照度や光の特性、そして納期や価格などをまず解説明してもらいました。

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今回一番実物を見たかったのが、こちらのナノラインでした。幅5.5ミリの超極細照明です。本来棚下灯として開発されたもののようでしたが、折り上げ天井の間接照明などにも転用できないかを確認したかったのです。

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持ってきていただいたLED照明器具すべてを、事務所で一番暗い玄関に持って行き、扉を全て閉めたうえで、壁からの離れや天井との距離を測りながら、実感できる明るさを体験させて貰いました。
また、数年(もしかして数か月?)すれば、新しい製品が開発・発売されて、最新だと思っている知識も古びてしまうのでしょうが、とにかく勉強し続けないと置いてけぼりをくらってしまうので、他社さんの製品も含めて貪欲に研究してゆきたいと思っています。

 

白金台Y邸のビフォー&アフター

白金台Y邸

先日工事が完了して、無事お引渡しをしたビンテージマンション白金台Y邸のリノベーション前後の比較写真をご紹介いたします。

リビングダイニングのリノベーション前後の様子を一番比較しやすい写真です。初めて現場を拝見した時から、少し狭くて、天井のラインが張り型などのせいで、ガタガタしていることが気になっていたダイニングを、いかに空間として整えてゆくかがとても重要なポイントだと考えていました。また、ダイニング奥には大きな柱型が目立っていました。天井については、天井カセット式エアコンを埋め込める寸法を基準に下がり天井を作り羽目板で仕上げリビングまで張り出させました。柱型は横のニッチに造作収納を作り、同じ面材で柱を囲い込むことで圧迫感を減少させました。

違う角度から見たリビングダイニングです。かつては奥まって狭く感じられたダイニング空間が、下がり天井の張り出しと梁高さと下がり天井の段差を隠すために作った袖壁のお陰で、奥へと続くゲート型のようになりました。リビングののっぺらした壁には、アクセントクロスをパネル貼りして、梁型を少し下げて入れたダウンライトで照らして、アクセントとしての役割を強調してみました。

右が玄関ホールへと続く開口で、左はかつてはエアコン本体を入れていた収納です。以前の玄関ホールは自然光が差さない暗い空間だったので、扉をガラスに変えて光を導いています。エアコンを天井カセットにしたことで、ニッチが生まれたので書斎コーナーとして造作カウンターを作っています。

今回のリノベーションで最も気に入っているのが、この玄関ホールの造作家具です。リノベーション前は小ぶりな靴収納家具が設置されているだけでしたが、リビングへの開口と一体でフレーム型を作って、靴収納、ベンチと手すり棒、そしてガラス扉を一つのデザインとして纏めてみました。ベンチの背部には大理石のモザイクタイルを張り、薄型のLED照明を仕込んで照らしています。

ダイニングのビフォー&アフターです。天井も壁(造作収納)もキッチンへの扉も同じオーク材で包んで、小さいながらも特徴のある空間へと改装しました。キッチンへの扉は小さなものでしたが、大きな表引き戸を引くと、キッチンとダイニングが一体に感じられるほど開口部を増やしています。

キッチンは以前は洗濯機も入ったユーティティーを兼ねていましたが、給湯機に置き場に洗濯機を移設したことで、大きなキッチン機能だけの空間に生まれ変わりました。少々、背面カウンターとの間は空きすぎているので、キャスター付きのカウンターを追加でご提案したいところです…。

廊下の比較写真です。照明を蛍光灯からハロゲンに変えているので、色味が大きく変わっていますね…。当然ながら床材をフローリングに張り替えていることや、突き当りの壁にもフローリングを張り伸ばしていることは違っていますが、実は廊下に面した建具は変えていません。

洗面脱衣のビフォー・アンド・アフターです。大きく変わったのはアルミのフレームドアだった浴室への入り口を、ステンレス枠のガラス扉に変えたことです。洗面カウンターはそのままで、洗面ボウルを塗装し直して、扉の壁紙も張り替えました。天井のダウンライトの灯数を増やして、明るくしています。

最後の写真が浴室のリノベーション写真です。こちらも浴槽は再塗装、壁パネルは張り増し、水栓金物は交換して、照明を変えています。機能的には浴室乾燥暖房機も加えています。
全体的に、予算もある程度限られた中で、このマンションが元々持っていたビンテージ感を上手く活かしながら、違和感がないインテリアリノベーションになるようにデザインしてみました。

大型ウォークイン・クローゼットの設計

六本木N邸

六本木N邸のお施主さまは、ご夫妻共にお洋服のコレクションを沢山お持ちなので、窓際にある二つの寝室分を超大型ウォークイン・クローゼットにリフォームするように考えております。

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内部でお二人のクローゼットに分かれていますが、全体の面積で約25㎡(15畳)分の広さがあります。
奥行き60センチ、幅1メートルのクローゼットが奥様のWICに9本、ご主人さまのWICに6本、さらにはアクセサリーや時計やサングラスなどの小物を入れる引き出し収納、カバンなどを並べる棚も計画しています。

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当初は全てをカガミ建築計画でデザインして図面を起こそうと考えていたのですが、将来的な拡張性や可変性を考えて、システム家具の特注でお願いすることにして、研究の結果、タイム&スタイルのシステム収納家具・ハウスストレージでお願いすることに決定いたしました。

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南青山のショールームにNさまご夫妻と一緒に伺って、クローゼット家具の使い勝手を試させて頂きました。

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その後は、担当者の木村さんに素案の図面と見積りを作ってもらってから、幾度か事務所に来てもらって細かい納め方や取っ手金物の取り付け方、建具や鏡との取り合いなどを一緒に考えてもらいました。

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いつも使っている特注の取っ手金物を進化させてモノを考えているディテールスケッチです。

最終的に出来上がってきたのがこちらの施工図です。これをお施主さまにご説明して詳細を再度詰めて、工事が始まってから墨出しの段階で現場に来てもらい採寸してから製作を始めてもらうことになります。未だ設計したことがない、超大型クローゼットなので、どのように仕上がってくるか、今からとても楽しみにしております。