Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

お施主様の現場視察@高輪I邸

高輪I邸

工事進行中の高輪I邸の現場に、お施主様ご夫妻が差し入れを持って訪問してくださいました。工事お願している工務店のはとても現場をきれいにしてくれていますが、それでも工事中は床に端材や金物が転がっていたり、仮止めだったりするか所もあるので、現場を訪問してくださる場合には、僕らが立ち会うようにさせて貰っています。

ご夫妻が立っているのがリビングの辺りで、向かって左側の寝室側を見ている様子です。壁が立上り、ボードもほぼ張られ、床下地もできた段階での訪問だったので、空間のイメージを掴むことができたそうです。室内の障子や欄間を通して光が奥の空間へと伝わる感じも判って頂けたようです。

一番左がWIC(ウォークイン・クローゼット)へ光を入れる欄間窓、正面の長方形の開口が一段床が上がった寝室の障子です。そのすぐ右が寝室への扉、ちょっと奥まった部分が玄関から伸びてくる廊下で、一番右側の開口がキッチンへの入り口です。寝室の奥の壁上部には、洗面への欄間窓も見えています。

こちらは、寝室からリビング側を見返したアングルです。暗い寝室になってしまうのではと不安がっていらしたお施主様も、これだけ光が入ってい来るのであれば安心だとおっしゃて下さったのが嬉しかったです。

玄関から、来客用トイレを見たアングルです。廊下正面には分電盤を入れる収納を設けます。天井裏には、新たに引き直した水道管とガス管が通っているので、トイレと廊下の一部は天井を150ミリ落しています。完成まであと一月半、どうぞ宜しくお願いいたします。

東洋大学秋山研究室来訪

高輪I邸

マンションリフォームで良く問題になる専有部と共用部の取り合い問題についてインタビューしたいとのことで、以前お世話になった東洋大学の秋山哲一先生、元助手の宇治康直さん、そして秋山研究室の学生四人が事務所に来てくれました。

宇治さんの正式な研究名称は「マンション専有部の大規模改修工事に関する調査-専有部分と共用部分の関係性-」とのことで、取り合い部分でどのような問題があったかを聞きたいとのことでした。

このブログでも紹介した高輪I邸でのコンクリート壁のスリーブ開けの事例や、これまでの経験で難しかったり、判断に悩んだケースを色々とお話ししました。20年前であれば、マンションで隣戸を購入して、本来は共用部の境界壁を切って、二つの部屋を一つに纏めてしまうことは普通でしたし、10年前でもエアコン用のスリーブ孔は管理組合に申請しないで自由に開けていたのが実態です。

その他、マンション共用部の養生や躯体に割れやヒビがあった際の対応、全面解体してスケルトンにしてから工事をすることと、部分解体で既存を残した工事をすることの違い等、今回工事をお願いしている工務店青の片岡社長にも立ち会ってもらい、説明いたしました。

宇治さんの学会用研究、そして学生さんたちの卒論・修論、どうぞ頑張ってください!

枠材取付け&二重床のレベル出し

高輪I邸

高輪I邸の現場は、LGS下地への枠取付けとボード張りへと進んでいます。

リビングから寝室方向を覗いたアングルです。窓がない寝室に採光を確保するため、腰高さの障子を入れる開口です。

リビング側の枠は45度のテーパーを取り、開口部を柔らかいイメージにするデザインとしています。塗り込んでしまうのが勿体ない、きれいな枠に仕上がっていました。

二枚の障子がポケットに引き込まれ、天井にはロールスクリーン用のボックスを設けています。ボックスの脇にはWICへの引き戸レールが絡む面倒な枠ですが、きれいに納まっていました。

特にロールスクリーンが収まるボックスは、建築家の横内敏人さんとブラインドメーカーのメタコ社が考案した、スクリーンの隙間が隠れるディテールを採用することになったので、事前にメタコ社の資料を元に、青の片岡さんと十分に詰めておいた部分です。

こちらはウォークイン・クローゼットへの明り取り用の窓枠です。ガラスはシール材のみで押さえ、押し縁を使わないことでスッキリ見せる予定です。

寝室部分は、床下に排水管が通るのでリビングより170ミリ床が嵩上げされています。淡路技研の防振アジャヤスターを使った二重床システムとしています。

上に張られたパーティクルボードに隙間があるところが、この二重床システムのミソです。隙間の真下にアジャヤスターがあり、一度パーチを張った後、レーザーと金尺を使ってレベルを出し、隙間にドライバーを差し込んで微調整して合せてゆくことができるのです。